「小周天法」 その17◆「イメージ」の修練 10 ◆「意識」で導き「温養」 ◆「ツボ」に意識の切込み入れる ここでもう一度俗に「小周天」と呼ばれる、仙道内丹法の第二段階について振り返っ てみましょう。この段階は「煉精化炁(き)」といわれます。体内にある 「精」を練って「炁」に換える修法です。この場合の「炁」というの は,体内にある「内気」をもとに「精」を練って、「炁」に変換したもので す。体内で行われる事なので見えませんが、実際には「気体」と「液体」の交じり 合った状態です。「精」と「気」という、体内にある二つの薬物を下丹田の「炉」 (熱源)によって熱を起こして煉って「炁」に変えていくのです。 1.「陽気」の発生 まず静かな部屋に坐して心を静め、「意識」を使って「武息」を4,5回行いま す。やがて「武息」によって身体の内側の「下丹田」に、ある「暖かい力」が発生 します。これが「陽気」で、この陽気は暖かったり、熱く感じられたりします。 この 「陽気」が発生すると、これを「神」(意識)を使って、「周天」させる最初の修練が 「小周天」です。下丹田で発生した「陽気」が通っていく経絡は最初が「督脈」で、 次が「任脈」です。「陽気」を下丹田で発生させた後は、静坐する時はいつでも真 意を下丹田に凝らすだけで、すぐにその一か所に陽気を集中させることができるよ うになります。 「陽気」が発生すると、人によって痛かったり、痒かったり、熱か ったりするが、まれにほとんど何も感じないという人もあります。これは単純に 「個人差」でどれが「優劣」と言うものでもありません。 2.「督脈」へ導きツボで「温養」 まずこの「陽気」を「意識」で尾閭に導いてきます。うまく陽気を「尾閭」に導けた らここでしばらく「温養」します。「小周天」の段階では、このように「陽気」を「意 識」で導いた「各ポイント」でしばらくの間 「温養」することが重要です。これは そこに「意識」を集中し「暖かく」感じるまで留まることですが、この「温養」によ って、その「ポイント」(ケツとかカとかいいます。要するにツボ)を開き、「小 周天」の経路を開いている事を「ツボ」に覚えこませる重要な作業です。 次いで「陽気」をツボで「温養」のツボに導きます。「夾脊」の場所は、脊椎骨の 中段、腎臓と差し向かいの(腎臓から脊椎骨への距離が最も短い)所にあります。 ここに無事「陽気」を導ければここでしばらく「温養」。ついで「陽気」を「意識」を 使って「夾脊」から「玉枕」のツボに導きます。「玉枕」の場所は、大脳の後方の 下あたりです。ここに「陽気」を導いた後、再び「温養」。ついで「玉枕」から「泥丸 宮」に「陽気」を意識で導き「温養」します。「泥丸宮」は、また上丹田ともいい、 頭部の中央に位置します。したがってこの場所では意識をかけると「暖かさ」では なく「爽やかさ」が感じられるのが普通です。 3.「任脈」を下りツボで「温養」 ついで「任脈」には入り「陽気」を意識で導いて「泥丸宮」から「印堂」に入れ「温 養」します。印堂の位置は、両眉の間でこのポイントも「温養」すると爽やかに感 じられます。 さらに「印堂」から「絳宮」に導き「温養」します。「絳宮」の位置 は、臍の上四寸二分の場所。「温養」すると爽やかに感じられます。 次いで「陽 気」を意識で導いて「下丹田」に入れ「温養」します。 以上が「小周天」の姿です。大切な事は、一回目には出来なくとも、何度も同じ事 を次から次へと試みることです。例えば最初「尾閭」まで行ったが、次のツボ「夾 脊」にはなかなかたどり着けないとします。そういう時最初3分ほどやってダメだ ったら一旦「意識」の集中をやめて、他の仕事をしたり、音楽を聴いたりして、し ばらく経ってまた試します。それでダメならもう一回。「小周天」の修練はそれの 繰り返しです。一回でダメでもあせらず何度も試行錯誤を繰り返す。そうするとそ のツボやルートに、あなたの「意識」が乗り移り「意識」の切り込みができます。そ ういう「切込み」あるいは「痕跡」を繫ぎ合わせ連続して体を一周したのが 「小周天」です。それぞれのポイントで「温養」するのもそのためです。
by yuugean
| 2002-11-21 16:44
| 内丹法を修練する
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