遊化の森

「小周天法」 その7

◆「力を抜くこと」 (続)
◆「肩が重い」「腕が重い」―自律訓練法
◆日常生活の中に生み出す「非日常な状況」 

前回は「力を抜くこと」。それが日常、いかに難しいかについて書きました。通常
は、私たちは生活をやっていく上で、「力を抜くこと」と対極の状況にいます。つ
まり通常の生活の中では朝起きた時から無意識の中で「緊張」モードに切り替えて
生活しているわけです。「緊張」モードこそが知らず知らずのうちに日常の状況と
なっている。逆に寝ているときは無防備になるので「夢」によってガス抜きをやっ
ているのです。この日常のガス抜きがなかったら、人はオール「緊張」モードの中
でもっと寿命を縮めていたでしょう。

したがって「力を抜くこと」。これは日常の緊張モードの中に、非日常の状況を作
り出すことでもあるのです。その状況を作り出すことで、「真実」の自分や真実の
人間の状況がよくわかることになります。「意識」の力も正直に働くことになるの
で、「気感」が強まったり、「熱感」が出てきたりします。日常の「緊張」モード
をいったんリセットして、その「意識」をコントロールすることで「力を抜くこ
と」ができます。

「自律訓練法」で目を閉じて、まず「肩が重い」「腕が重い」「脚が重い」「身体
全体が重い」というコマンドを3回ぐらいずつ「意識」にかけ続けますと、そうい
う状況が自分の身体の中に生まれてきます。たとえば夜寝る前などは「腕が重い」
「身体が重い」というコマンドを意識に向かってかけ続けますと、身体は布団の中
に深く沈みこんで「緊張」モードが完全に取れ、リラックスした自分が出現しま
す。これが「力の抜けた」状態です。何度もこういう訓練をし続けると、意識はそ
ういう姿勢を取っただけで、「力の抜けた」状況を生み出すようになり、恍惚とし
た、気持ちのよい状態の中に自分を置くことができます。「仙道」を今後、効率的
に進めていくには、この方法に習熟しておくことが必要です。

「仙道」でまず「気感」を感じるためには、上のような状況にあることが必要で、
その中で下丹田の中で「熱いボール」をイメージし「意識」に働きかけますと、そ
ういう「熱感」が今度は下丹田に生じることになります。「意識」の力によって
「無」(形のないもの)から「有」(形あるもの)が生じる瞬間です。そのボール
を再び「意識」で引っ張って「会陰」経由で督脈に入れ、上方に上げていくのが
「小周天」法です。「緊張」モードに入っている私たちの日常生活の中に、「非日
常」の状況を作り出すことで、「仙道」は「気感」「温感」を得て、「胎児」の時
代には開通していた「督脈」など「奇経八脈」を次々に開通させていくことになり
ます。
by yuugean | 2002-09-22 17:08 | 内丹法を修練する
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