遊化の森

「煉キ化神」或いは「大周天法」 その2

◆「養胎」
◆「十ヶ月かけて育てる」
◆「修練は入定功夫」

すでに前回より、二ヶ月の時間が流れてしまいました。気がついてみるともう、二
ヶ月も経っていたのかという感じが正直なところです。この期間、このメルマガの
ことが常に気になりながら、なぜかここに立ち戻ることが出来ないでいました。別
のひとつのプロジェクトに少し心を砕かねばならない状況だったからかもしれませ
ん。それがようやく目途がついて、気がついてみると仙道メルマガ「天地」は前回
より二ヶ月も経過してしまっていました。

さて、前回は「大薬」の発生でした。私はこれを「仙道」階梯の中の最大のクライ
マックスのひとつではないかと考えています。「大薬」の発生がなければ、その後
の「丹」の形成されず、そうするとそもそも「内丹法」は成立しないからです。
数々の修練の中には「大薬」を生じない方法もあるでしょうが、それは、「仙道内
丹法」とは別の修練に過ぎないと思います。

こうして「大薬」が生じてきますと、それをその都度「小周天」ルートを回して、
下丹田に収めます。この期間は約1週間、朝となく夜となく、次々に「大薬」が体
内に生じてきて、肛門周辺に下りてきます。それを掬い上げ「小周天」ルートに引
っ張り上げて下丹田に収めていきます。約1週間すると、こんどはぴたりと「大
薬」の発生が止みます。

これからが「養胎」といわれる段階に入ります。これから下丹田に出来てくる「聖
胎」はいわば内丹法によってできた嬰児です。実際に形や質を備えた物ではなく、
「神」と「キ」(気)が凝結した物にすぎません。この「養胎」は、別には「十月
養胎」と呼ばれます。人間が胎児を母体に宿し、十月十日かけて「胎児」を育て産
むという事に擬しています。単にそれを真似ているということではなく、十ヶ月の
間、自分の胎内に抱えて育てる事でちょうどいい「聖胎」が出来上ると言う事を中
国人は体験的に知ったのです。ですから、早くこの段階を経過することは何の意味
もありません。「早産」が未熟な嬰児を生むように、やはり十ヶ月と言う時間がち
ょうどワインを熟成させるように、健康な「聖胎」を創り上げるのにちょうど必要
な時間なのです。この段階では、まず「神」を「キ」(気)に入れ、それから
「神」を「キ」(気)で包み、これから十カ月の間神が気と一つにして安定させて
いきます。これは、ちょうど神と気が交わり子宮に胎児を生み育てているようなの
で、「養胎」に例えられるのです。

この段階で行う修練は実際には「入定功夫」(神を落ち着かせる修練)です。常に
落ち着き、意念はまるで無きごとく、常にきちんとした行動で、心や考えを洗い、
綿密に静かに意識をかけ落ち着かせることで、「元神」は発育・成長していきま
す。十カ月の間に、微かに動いていた気は動かなくなりすべて「神」に変わってし
まいます。これまで目で見ることによって意識をかけていたのを、意識しないよう
になり、火加減においても意が触れないようにし、元神の落ち着きに影響しないよ
うにします。

この時期「大周天」の修練自体は、実際には「入定功夫」によって「神」を落ち着
かせ、「意識」(神)がぶれないようにする修練です。「入定功夫」は何かという
と「瞑想」の一種といっていいでしょう。しかし「仙道」の「瞑想」は他の修練と
は違い何か対象を持ってイメージで作り上げたものに対する集中ではありません。
むしろ何も考えない、「ぼーとした」状況を持ち続けることです。集中しすぎるこ
となく、茫洋とした包括的な集中を行います。それが「入定」です。そういうやり
方によって、「意識=神」がはじめて落ち着いてくるのです。 この「大周天」の入
定功夫(瞑想)の目的は「陽神」を煉ること。

「キ」(気)が動き「神」が散ることが「陰」であり、「気」が落ち着いて「神」
が純であることが「陽」であると考えられています。だから気が落ち着くというこ
とは、「意識=神」の中から「陰」が消え、「陽」が増えることです。「意識=
神」の中から、「陰」が全くなくなると、虚霊[虚の働き]の「陽神」だけが残り
ます。「陽神」というのは、別の考え方では「陽」のみとなった「意識」です。
「陽のみ」とは何かというと、「意識」(神)から「陰」の部分が全て取り去られ
た「意識」(神)の状態です。そして、純粋に陽に満ちた「胎」が完成するので
す。

そして「意識=神」の中から「陰」を消し去っていく修練が「入定」(包括的な瞑
想)の修練です。「入定」(包括的な瞑想)では、決して一点に意識を集中するこ
となく包括的な集中を行います。何度も繰り返し「入定」することによって、
「陰」は徐々に「意識=神」の中から消えていきます。1カ月目は二気はまだ活動
していて昇ったり降りたりします。2カ月目には気は微かに動いています。3カ月
目以降は気は中丹田と下丹田だけで微かに動くだけ。4~5カ月目にはもう動かな
くなり、「陰」は減り「陽」が増えていきます。6~7カ月目には修練は安定して
熟し、気は神に変化します。8~10カ月後になると、長い間静かに意識をかけて
いたので、性功は完成し、「神」は「陽」のみとなり、完全になります。これ以降
は方法を変えて胎を上丹田に移し、上関に入っていかなければなりません。
by yuugean | 2003-07-14 06:41 | 内丹法を修練する
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