遊化の森

「小周天法」 その19  



◆「真気発動」
◆「小周天」の習熟
◆いざ「煉炁(き)化神」へ

「小周天」の修練を何度もやって習熟していくと、ある日突然「真気発動」といわれ
る現象が起こってくる事があります。この現象を「大周天」と呼んでいる解説書も
ありますが、正確にはやはり「小周天」の最後の方に現れる「証験」のひとつで、「真
気発動」とでもいうべき現象だと思います。「大周天」というのは本来「小周天」に対
応した行法の呼び名で「証験」の呼び名ではなく、やろうと思えば誰でも「大周天」
を行じることは可能です。

しかし、「真気発動」は、「証験」のひとつですから、自分の意思で出来るという
ものではありません。修練を真面目に続けていると、ある日突然起こってくるもの
です。しかも人によっては全く起こらなくて、次の「行」に行く場合もありうるの
です。非常に個人差があるために特殊視されてテキストなどには記載されていない
「証験」のひとつです。これは「ヨーガ」における「クンダリーニの覚醒」とよく似
ています。「クンダリーニの覚醒」もしばしばヨーガ行中に起こりうる現象です
が、危険性を伴う事もあり、個人差があるので特殊視され、必ずしも「ヨーガ」本
道のテキストなどには記載されない現象です。

この現象は、「小周天」を規定どおり修練して、それに習熟して「気」の状態が身
体の隅々、全ての臓器にいきわたり充満した時、つまりある種の「飽和点」に達し
た時に起こります。発火点は「仙骨」です。ちょうど部屋にガスが充満しているの
に気がつかなくて、何かの拍子に「発火」して爆発が起こるようなものです。目に
はみえません。充分に充満した、「飽和点」に達したと「天」が判断した時に初め
て起こるもので、我々が自分の意思でどうこうできるものではありません。

その状況は次のようなものです。修練を続けているとある日、何も意識しないの
に、尾てい骨から強烈な「気」の流れが、強い熱気を伴って背骨を上昇していきま
す。人によっては背骨を上昇するたびに上半身がそりかえり、頭頂から身体の前面
に抜けるときに上半身が持ち上がって床に落ちる事もあります。自分では全く意識
していないのに、熱気の動きにあわせて身体が勝手に動く。それが終わって翌日に
なると、尾てい骨から背中にかけて今までに感じた事のない、強い「気感」を感じ
るようになります。このときの「気感」はエクスタシー感というべき恍惚としたも
の。何をやっても体中が快感に包まれ、何をやってもまるで浮いているように苦痛
を感じない。疲れない。1-2日眠らなくても平気。そういう大変にハイな状態が
3日-5日ぐらい続きます。高橋聡一郎さんも著書で「背骨のところを強い感覚が
通り抜け、頭頂に圧力がかかった」と記している現象です。

「ヨーガ」でも同様の現象が起こり、「クンダリーニの覚醒」と呼ばれます。もと
もとヨーガで「クンダリーニ」と称するのは仙道でいう「先天の気」のことです。
それは常に存在するのですが通常は表面に出てくる事はなく、「眠っている」状態で
す。クンダリーニが覚醒していないのが普通の人間の状態で、そのまま人生を終わ
る人々がほとんど。しかし修練によって「覚醒」させると、それ本来のパワーを発
揮する生命力の源泉のようなものです。

私が敬愛するアメリカの偉大な透視予言者・エドガー・ケーシーはそのリーディン
グ(瞑想中の記述)の中で「クンダリーニ」について次のように言っています。
「内分泌腺のことを東洋ではチャクラの位置としてとらえている。脳下垂体、松果
腺、甲状腺、胸腺、副腎腺、ライデン腺、性腺がそれにあたる。瞑想するとクンダ
リーニと呼ばれるエネルギーがライデン腺と性腺からわき上がり、エーテル体とし
てある銀の紐を通って背骨を上昇し最後には松果腺と脳下垂体に至り生命力がわき
上がり、他の中枢へ分配される時に、生命力は太陽神経ソウに戻り、そこでインパ
ルスを得て全身に分配される」。

私自身の体験は「ヨーガ」の「クンダリーニ」そのものでした。まず最初に感じたのは
全身にうごめく電磁的な力。寝る前に横たわっていると、腹部、足、肩から頭の中
まで何か微細に動くものを感じ、細胞のひとつひとつが自由に動いているような感
じで、肉体そのものがひとつの電磁体になったという感覚。前日の昼頃から腹部が
しきりにひとりでに動く現象ががあり、それがその日は全身に拡大して細胞単位で
動いており、身体の内側は一層密な有機体になった感じでした。当時やっていた修
練は、まず丹田に熱をもった「白い光球」を生ぜしめ、それを仙骨、督脈に周流、
泥丸で温容して、その後任脈を下げて下丹田に収める修練。それがこれまでよりは
るかに濃い気感があり、からだ中に電磁力が満ちているような、濃厚で微細な動き
が生じ、体中が温かくなってきました。それがいわば「前段」。

その翌朝床の中でリラックスしていると、身体の内部が細胞単位で動いている電磁
的な微動感が続き、ことに仙骨から命門、背中にかけ熱い感じがあり、下腹部全般
にも熱い感じがありました。これはヨーガでいう「クンダリー二」の覚醒ではない
かと思ったのですが、仙骨の「溶岩だまり」から熱い溶岩が上に立ち上っていく感
じといえなくもなく、活力が満ちていくら動いても疲れをしらない感じも出てきて
いました。身体の動きも活発で、意識が一日中覚醒していて、いくら歩き回っても
疲れを覚えない状態。夜余り寝なくても意識は覚醒したままという状態が続きまし
た。これが「第二段」。

そのあと二日続いて、最初身体が熱をもっているような感じ。上唇が熱ではれてい
るのがわかるし、背中のあちこちで不協和音があるのです。「放熱」を心がけなけ
ればならない状態。夜明け方、背中や仙骨のあたりが熱くなってきて、頭も若干熱
くなってくる。もし「放熱」の仕方を知らなかったら、頭が熱でやられてしまうに
違いないと思いました。仙骨や腰、肩や耳のあたりに熱っぽい凝りのような状態が
ありました。その翌日は腹部に異常に熱が集まって、異常に熱い。そのせいで上唇
に「熱の花」ができ、首のリンパ腺が腫れる。もしこの「熱」が頭に上りきりにな
っていたら、脳膜炎のような状態になることが予想されました。時々インドでヨー
ガで頭がやられるという話をきくのはそれだろうかと思い、自己流ヨーガ風仙道瞑
想の危険性はつねにあるとも思いました。これが「第三段」。

 さらに数日間身体がとにかく熱く、腹部に手を当てると、思わず「熱い」と声に
出すほど。両腕の下に手を入れて、思わず「熱い」と感じてしまったほど。「熱の
花」はここ4,5日できているが、身体がどれほどの熱になっているのか。腹部は
自己暗示をかけ、身体全体にも「平熱になる」と自己暗示をかけているが、下がら
ない。「仙骨」は「熱」の部位でもあったという事が判りましたが、いまそれだけ
のエネルギーが私の身体の中に流れ込んでいるということだと思ったものです。さ
らに熱は下がらず、翌日は腹部、胸部、大腿部から上は、首の付根まで、39-4
0度ぐらいの高熱で、夜に至ってその熱が「頭部」にのぼっていく気配がありまし
た。異常な高熱の部分が確実に拡大している。そこで水枕をしたり、額を冷やした
りしたが効き目なく、気功や自律訓練法などいろいろ試みたが駄目。何をやっても
ダメ。そのとき困っていると突然、空海の事が頭にうかび「ある行法」のヒントが
閃きました。わらをも掴む思いで、何も疑うことなく、それを実行してそのまま一
晩寝ると平熱に戻っていたのです。何をやっても下がらなかった大変な高熱が翌朝
は下がりウソのように常温に変わっていました。翌朝あのままの状態でいたら、今
ごろは謎の「熱死」を遂げていたにちがいないと思ったものでした。九死に一生を
得たと。そのあと「気感」が一変したのはいうまでもありません。
by yuugean | 2002-12-06 16:41 | 内丹法を修練する
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遊びをせんとて生まれける  学びせんとて生まれける

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