遊化の森

「いつでも仙道」

◆「座り方」と「姿勢」
◆「陰陽五行と仙道 」
◆「古代仙道の修練時間」

 「仙道内丹法」のよさは、どこでも、いつでもやる気になれば
出来る事。しかし、それはあくまで「応用編」です。正規には、どうすればいいの
かということが、やはりついて回ると思います。それがあって初めて「どこでも仙
道」「いつでも仙道」です。

1. まず場所は、この前書きましたように理想的には「清く静かな部屋」。そ
ういう自室があれば、誰にも気兼ねなく「仙道」に打ち込めますが、もしなかった
としても、図書館やお寺、あるいは喫茶店で「清く」「穢れてない」感じの場所、
比較的静かな場所を探して選べばいいのです。そういう場所が見つかれば、これか
ら目を閉じて、心を落ち着かせる準備にかかります。

2. その前に、静かに座る場所が決まれば、座ります。「座り方」ですが他人
の目がない自室などでは「盤坐」(あぐら的な座り方)がいいでしょう。しかしそ
れにこだわる必要はありません。実は私は若い頃登山で膝を痛め、股関節が変形し
ているのでどうしても「盤坐」ができません。膝が浮いてしまうのです。そこでい
つも椅子に座ってやっています。とにかくこういう風にして「座」が決まれば静か
に目を閉じます。そして首の後ろと背筋をまっすぐに伸ばします。これは「仙道」
ばかりでなく「気功系」にとって大変大事なポイントです。首筋から背筋にかけて
まっすぐに「天に向かって」伸ばす事。「気」が通るためには、これが大変重要な
ことです。

3. 次に手の組み方です。「盤坐」や椅子に座って、自分の性器の前あたりで
手を組みますが、「仙道」の組み方は、左手を広げて自分の性器の前あたりに静か
に起きます。その上に右手を握って拳の形にしておきます。これが「握固」という
「仙道」独特の手の置き方です。両手にはあまり力をいれず、むしろだらんと力を
抜いたまま前で組みます。

4. さて、これから「仙道内丹法」にはいっていきます。その前に、自分の身
体に降りかかっている「けがれ」を取り除く儀式をやって見ましょう。座った姿勢
のまま、腰から身体を折り、前に倒します。そして意識して胸を張って、その姿勢
のまま、ゆっくり身体を起こします。首をまっすぐ胸を張って座った形になりま
す。そして今度は腰の力を抜き、腰はだらーんとした感じにします。。そうしてい
ると、自分の腹の前と腰の後ろ(つまり両面)から上に向かって「気」が上ってい
くのが分ります。修練が進めば、だんだんはっきりと自覚できるようになります。
これが「焚身法」といって、唐時代の古い「仙道」で行われていた「身の穢れ」を
取り除く法です。燃え立つ「気」の威力によって、あらゆる「けがれ」を焼き尽く
してしまうという意味があります。

5. その時代の古い「仙道」では、「修練」の方法も季節や時間帯によって細
かく決められていました。先の唐時代の「仙道」、中国人にもっと知られた仙人・
呂洞賓が活躍した時代で、あの「陰陽五行」が生活の隅々まで律していた時代の
「仙道」では、一年の周期と一日の周期とは同じだと考えられていました。つまり
「春分」の時は、一日で言えば丑寅の時(午前3-4時)にあたり、身体の中で
「陽気が上りにくい時」と考え、このときを捉え修練することを勧めました。また
「立冬」の時は、一日でいえば戌亥の時(午後11時―12時)にあたり、この時
を捉え「呼吸法」などの導引を行うことを勧めました。私は自分の経験から、いつ
の間にか、修練はできるだけ夜12時と朝4時(原則)に「座る」ようになってい
ましたが、これは当時の理論から言えば理にかなっている事だったのです。私が最
初それに気付いたのは、もうだいぶ前に寝ていると、身体の中の全ての細胞が、も
ぞもぞと動き始める時間があったのです。それは朝四時前後、日の出前の時間帯で
した。森羅万象がこのときに目覚めて始めることを知って、それを修練の時間とし
たのでしたが、、。

6. 今は誰も「陰陽五行」によって、「仙道」修練の日時などを決めることは
ないと思われます。しかし「陰陽五行」は「陰陽」という古めかしい名前ではあり
ますが、自然と人間のかかわりをよく研究したもののような気がします。そして私
達が「気」という自然と人間の接点のような現象を極めようとすれば、この古代人
の智慧が案外生きてくるような気がするのです。「古代仙道」では、自然の変化、
時の移り変わり、気の動きを「陰陽五行」に置き換えて、修練のよしあし、時期を
決めていたのですが、後世の「仙道」ではすでに省みられなくなっています。この
問題は今後研究していくべきテーマだと思います。
by yuugean | 2003-01-10 06:53 | 内丹法を修練する
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