やんちゃ猫鯉太
もう終わったことだが、5月10日から6月14日まで生まれたばかりの子猫を預かっていた。5月5日の朝方、埼玉県ふじみ野市の小さな児童公園に40歳台の男が子猫を捨てにきた。その公園の前の家のS君がその一部始終を2階から目撃してしまった。S君はカソリック信者でインドの貧しい人たちを助けた聖女マザーテレサを心から尊敬している。S君は、雨が降ってきそうな公園に猫を捨てる男の一部始終を見ていて捨て置けない気持ちになった。幼い生命がこのままでは確実に消える。それで寒さに震える子猫をとにかく家に連れ帰って、牛乳を与えた。翌日も牛乳を飲まず、排泄をしない子猫を心配して市内の獣医のところに連れていった。そこで、浣腸をしてもらい、猫用ミルクや排せつの仕方を習った。その日からS家の段ボールの中で生活し始めたが、S君はたびたび仕事で東京に行く。その間5-8時間も家を空けることになるが、心やさしいS君は「何とか育ててあげたい」と必死に努力した。しかし、現実はずっと家にいるわけではないし、仕事の行き帰りに時間がかかりすぎて、十分に世話をしてあげられない。そこで、もう市役所に持っていくしかないと思っていた。
S君は飲みながら私に子猫のことを話した。私は、何かの縁があって君のところに来たんだから、最後まで見てあげるべきだ。たとえ、小さな命といえども命はいのち。まっとうさせるのが人間の勤め。その子猫がちゃんと一人前になって、ひとり歩きできるまで、私が飼ってあげる、と彼にいった。それで5月11日に東京都千代田区の私の家に来た。猫を飼った経験はまるでない。 それから1か月ミルクも順調に飲み、体重は毎日増えていった。おしっこやウンチも自分ひとりでできるようになり、ミルクから離乳食への切り替えも問題なく行った。標準よりも1-2週早いペースで進んでいった。そして6月8日にはドライフーズを食べるようになり、12日にはドライフーズだけでも大丈夫となった。もう、家を空けても食事の心配をしなくてよくなった。それで、S君に子猫を引き渡した。元気でやんちゃ、起きているときは部屋を走り回り、疲れるとよく寝た。そんな子猫に育った。体重は800Gになっていた。
by yuugean
| 2009-06-20 07:46
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